玄関ドアの豆知識

住まいの印象を決めるポイントのひとつが玄関まわり。
特に、玄関扉の選び方によって、イメージは大きく変わるものです。
選ぶ際には、素材やデザインだけでなく、性能や機能性も重要。
ここでは、玄関扉を選ぶ前に知っておきたい基礎知識をみていきます。

玄関扉の主なスタイル

■開き戸(ドア)

片開き戸、袖付きの開き戸、親子ドア、両開き戸などのスタイルがあります。

・片開き戸(ドア)
一般に多くみることのできる、オーソドックスな1枚のドアスタイル。
メーカー商品のバリエーションも豊富に揃っています。
採光を確保するためスリットや小窓を設けたデザイン、通風が可能なタイプなどもみられます。

・袖付き開き戸(ドア)
片開き戸に袖が組み合わされたもの。袖が片側にあるタイプだけでなく、両サイドにあるタイプもあります。
袖にガラスを用いたデザインであれば、玄関内部に光りを取り入れることができ開放的に。

袖部分にポストを設けることができるタイプもみられます。
・親子ドア
片開き戸(親扉)と必要に応じて開閉できる袖部分(子扉)が組み合わされたタイプ。
親扉と子扉の両方が開くので、広い開口部が確保でき、引越時など大きな荷物のある場合は便利でしょう。

・両開き戸(ドア)
2枚の片開き戸が開閉するタイプ。
グレード感のある玄関になりますが、開閉には面積が必要なため、広い玄関スペースが必要です。

■引き戸

以前は、和風の建物に用いるケースが多くみられましたが、最近はスライディングドアやスライドドアなどと呼ばれることもあるように、モダンなデザインも増え商品バリエーションも豊富に。
メーカー商品では、開き戸と同様のデザインで引き戸タイプもラインナップされています。
断熱性を高めた商品もみられます。

・引き違い扉
2枚の引き戸を左右にどちらでも、移動させ開閉することができる扉。

・片引き扉
1枚の戸を左右どちらかを滑らせて開閉する扉。袖部分にガラスなどを組み合わせたタイプもみられます。

・2枚(3枚)片引き扉
複数枚の戸が連動して開閉するタイプ。広めの開口部を確保できるのがメリットです。

・両引込み扉
左右の壁側に引き込んでしまうタイプ。広い開口部を得ることできます。

玄関扉の構成と素材

玄関扉の構成は、扉本体と枠(外枠)、取っ手(把手)やクローザー、蝶番(ちょうつがい)、鍵(キーシステム)などで成り立っています。
オリジナルで製作する場合はそれぞれ部材等を選ぶ必要がありますが、メーカー商品の場合、基本的にはこれらが組み合わされ、扉デザイン、取っ手や鍵など、好みや予算に合わせて選んでいくことになります。

ドアの主な素材は、金属製(鋼板、アルミ形材、ステンレスなど)や木製(米松、ナラ、チークなど)。コア材に断熱材などをはさんだ多層構造になっているものが多くみられます。
金属製は、耐久性・耐候性に優れ、デザインも豊富。木製のような風合いを持つタイプもあります。メンテナンスが楽なのも特徴でしょう。木製はその素材感、インテリアとの調和のしやすさなどが魅力。
メンテナンスの手間がかかることは否めませんが、根強い人気があります。
国産だけでなく輸入品にも多くみられるタイプです。

取っ手(把手)は、開閉動作が楽に行えるレバーハンドルやバーハンドルが主流。シンプルな直線的なデザインはもちろん、曲線を用いたエレガントな雰囲気のものなどさまざまなタイプが揃っています。
ハンドル部分に鍵を組み込んだすっきりとしたデザインもみられるようになりました。


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住まいの印象を左右する玄関まわり

特に玄関扉は、そのデザインや素材などによって、外観デザインにも大きく影響するものです。
選ぶ際には、デザイン性はもちろん、防犯性や断熱性など性能面も確認することが大切でしょう。

玄関扉は、開き方によって、開き戸(ドア)と引き戸に分けられます。
片開き戸、親子ドアなどが馴染みのスタイルですが、最近では、引き戸を設置する例も多くみられるようになりました。
スライドドアやスライディングドアなどとも呼ばれ、メーカーからもさまざまな商品が提案されています。

ここでは、選ぶ前に知っておきたい、玄関引き戸の種類と特徴をまとめました。

限られたスペースで、広い開口部を確保

コンパクトな1枚扉スタイル。

幅狭のエントランスやビルトインガレージなど、敷地が限られた都市型住宅などにも。 [エルムーブ]
横にスライドさせて開閉する引き戸のメリットは、限られたスペースで、広い開口部を得られること。

開き戸(ドア)の場合、前後に開閉させるスペースが必要ですが、引き戸の場合は、そのスペースが必要ありません。
たとえば、ポーチ部分が狭く開き戸の開閉スペースの確保が難しい場合、玄関扉を開けるとすぐに門扉があったり道路に面してしまうプランなどでは、引き戸の方が使い勝手がいいでしょう。
カーポートスペースと玄関アプローチを兼ねるようなプランでも、引き戸とすることで車のスペースに余裕が生まれ、荷物の出し入れも楽になるのではないでしょうか。

また、引き戸の場合、開け放しておいても扉が邪魔にならないのも特徴。
好きな位置で止めておくこともできるので、ドアストッパーの必要もありません。
大きな荷物を持っていたり、ベビーカーなどでも出入りしやすいのもメリットでしょう。

その他、開け放しておくことで通風を確保することも。
開ける幅によって取り入れる風量の調節ができ、網戸(オプションで用意されていることも)を設ければ、夏場、室内に風を取り入れることも可能です。

引き戸の主なスタイル

LIXIL

自然な風合いで、モダンな住まいにも溶け込むデザインの断熱玄関引き戸。 [F型PG] 2枚建戸F10型
玄関の引き戸の素材には、開き戸タイプと同様に、金属製(アルミ・鋼板など)や木製があります。
木製扉などオリジナルで製作する場合もありますが、メーカー商品としては金属製のタイプが多くみられます。

また、引き戸には、開閉方法によっていくつかのスタイルがあるので、間取りや使い勝手、住まいの全体のデザインに合わせて選ぶことが大切です。

■引き違い扉

2枚の引き戸を左右にどちらでも、移動させ開閉することができる扉。
格子を用いたデザインの引き違いは、和風の住宅で多く見かけるタイプです。

■片引き扉

1枚の戸を左右どちらかを滑らせて開閉する扉。
モダンなデザインの商品が多くみられるスタイルです。
片袖部分にガラスなどを組み合わせ、採光を確保したタイプもみられます。

■2枚(3枚)片引き扉

複数枚の戸が連動して開閉するタイプ。
広めの開口部を確保できるのがメリットです。

■両引込み扉

左右の壁側に引き込んでしまうタイプ。
広い開口部を得ることできます。

また、出入りが楽なように下枠の段差を少なくしたタイプ、自動で開くタイプなどもあり、車椅子やベビーカーなどでも使いやすく工夫された商品もみられます。


すっきりとしたデザイン、リフォーム対応も

最近のデザイン傾向は、全体的にシンプルでモダンな、和洋どちらの外観デザインにも馴染むようなタイプが多くみられること。スリットや格子、小窓などを取り入れたデザインの商品が提案されています。
金属のシャープなイメージを強調したもの、木目のナチュラルな雰囲気を持つものなど、バリエーションも豊富に。

また、限られたスペースに開放感を生み出す工夫のひとつとして、袖部分にガラスを取り入れたデザインも多くみられます。
複層ガラスや防犯ガラスなどが用いられ、ガラスとパンチングメタルを組み合わせたタイプもあります。

その他、既存の扉枠の上に、新しい枠と扉を取り付けることで、外壁や内装などを傷めずに工事ができ、工期も短くて済むというメリットがあるリフォーム向けの商品もでてきています。

断熱性能もアップ。キーシステムも豊富に
引き戸では、断熱性や防犯性などに不安を持つ場合もあるかもしれませんが、最近の商品では、それらの性能を高めた商品も出てきています。
アルミと樹脂を組み合わせるなど、素材や構造に工夫を施して、断熱性を確保したものなどもみられます。
また、開き戸と同様に、サムターン(つまみ)を動かしても解錠できないタイプ、ピッキングによる錠破りを防ぐための性能の高いシリンダーなどの提案、リモコンやカードの電気錠システムなどを取り入れた商品もあるので、家族構成やライフスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。

その他、操作性を左右する引手部分もチェックしておきたいポイント。玄関引き戸の場合、大型のバーやハンドルタイプが多くみられますが、室外側、室内側ともに、使いやすさをしっかりと確認すること。
最近では、少ない力で開閉できるものも増えていますので、実際に動かしてみることを忘れずに。

勝手口やベランダへの出入りにも
玄関だけでなく、勝手口にも利用しやすい引き戸もでてきています。
敷地が隣家と接近していたり、自転車や物置を置いているためスペース確保が難しい場合などに向いています。
また、趣味の作業場やストックヤードなど、多目的な土間空間などに取り入れてもいいでしょう。

その他、2階にリビング・ダイニングを設けるプランでは、キッチン脇にベランダがあるとゴミの一時置きなどで便利なもの。
出入り口が引き戸であれば、スペースを取らないので、プランニングもしやすいのではないでしょうか。

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